2006.4 会報131:辞書指導2006年4月例会(新英研神奈川支部会報131から)●ワークショップ「辞書指導を考える ~ 生徒全員が辞書をもってくる英語辞書引きテスト他」 新学年のスタートの時期、ワークショップで実際に辞書引きをしながら、辞書指導について交流しました。 (1)萩原一郎さん ・ 辞書引きコンテスト(例会参加者用に作ったもの) (1) 「ニート」:young people Not in Education. Employment, or Training(学生でもなく、仕事にも就かず、専門的技能を学んでもいない若者) (2)「ロハス」な生活:Lifestyles of Health and Sustainability (健康と地球環境維持の意識の高い生活様式) (3)「ドッヂボール」:dodge ball(素早く身をかわす+ボール) (4)「ガバナビリティ」:governability ableを生徒に辞書で引かせる良い機会になる。 ableは「~されうる」という受け身の意味があり、 govern(統治する)+ableは「~されうる」 =統治されうること=被統治性/統治のしやすさ/従順さ [会報担当から:例会の後でgovernabilityは第2次対戦後の日本の従順さ(?)と現在のイラクの支配のし難さという文脈でも語られうると気づき…、呆然+愕然としました。] (5)「スイート」:suite(一続きの部屋) ・ 生徒の間違い 「cell phone(セルフォン=携帯電話)をCellophane(セロファン)と取り違える」 「品詞で【副】と【複】を取り違える」 (2)参加者の実践 ・ 中1での辞書引きの指導(棚谷孝子さん) (1) egg(卵)→ eggplant(ナス)、dragon(竜)→ dragonfly(トンボ) (2) カルタづくり:絵札+字札をつくり、みんながあまり知らない 単語をクラスメートに伝える。 例えば debt+「借金で首が回らない」、 adult+「外見はadult、中身はchild」など。 ・ 高校の辞書指導(和田さつき) apply for a job「職に応募する」ようにapply for ~のあとには「求めているもの」がくる。 apply to three universities「3つの大学に申し込む」のようにapply to ~のあとには「申し込む場所」がくる、などを確認させる。 ■レポーターの感想 4月という新学期のスタートに辞書指導について改めて考えられる機会が作れたらと思い、提起しました。 「紙の辞書」vs.「電子辞書」というテーマはこれからますます話題になりそうですね。 ■参加者の感想 知らないことばに出会ったら、他に訊くか、自分で調べる(=学力)。だけど、自分で辞書を引くことが「後に残る学力」になる。 |